2009年04月27日

ユーラシア同心円造形の基盤構造作図法

インド初期マトゥラー派からグプタ造形+我国飛鳥仏までを貫く造仏理論、および、さらにそれをも歴史的広範囲に上回るユーラシア同心円造形(ケルト円盤+中国古代鏡+我国古墳時代鏡)、これらの論理原点となる基準図形の作図法を説明致します。


単位図形の作図
単位図形作図法up.jpg
  ↑
これが、印度マトゥラーから飛鳥まで一貫する大乗仏像設計の基盤構造と、それに先行するユーラシア同心円状造形物の複合的なゲージを形成するための最初の単位基準図形となります。

上段は、円を三個配置することで正三角形を描く作図法ですね。グレーで示した直行する直線の交点を中心とする円(赤で表示)を描き、水平方向直線と相互の円周が交差する点を中心として、新たに二個の同じ直径の円を作図すると、図のような位相で正三角形が作図できるというもので御座います。左右の二つの円の中心は、赤で示した円の左右半径の二分割点となります。

中段は、上述中央の円に内接する正五角形の各頂点を中心とし、五角形の一辺を半径とする円を描いた状態となります。

下段は、上述二種の作図を赤で表示する中央円を共有するように結合した作図であり、これが単位基準図形となります。正五角形の作図においては、上段の正三角形の作図と共有のプロセスがあり、ゆえにこの単位図形は幾何学上の合理性が内在すると思われます。この単純で合理的な円の構成はなぜか「花のかたち」を思わせるということで、自分が1995年にそのように命名させて頂いた次第です。


単位図形の三段階連鎖縮小図形 (最終作図)
作図法B三重-1up.jpg

初期マトゥラー派から飛鳥に至る仏像設計のゲージと、ケルト造形+漢時代中国古代鏡+我国古墳時代の古代鏡のゲージは、上述の単位図形を三個縮小連鎖させたものを単体またはさらに合理的に連結させたものを用いているので御座います。初期マトゥラー派仏像は三段階連鎖単体、グプタ期仏立像は縦方向に三個連結、飛鳥仏はグプタ理論に基づき縦五個連結、このところ図版掲載しておりますが、ユーラシア同心円造形は放射状に複数連結、といった概要で御座います。

続きまして、以下がその連鎖方法論理と具体作図方法と成ります。
  ↓

縮小連鎖の論理(1)
作図法A-2up.jpg

右側の大きい方の単位図形に連鎖縮小作図を司る三個の中心軸上の重要交点を示しました。A青、B赤、C緑、これらの位置をまず確認願います。一回の縮小連鎖作図は↓

@「最初の基準図形」と「縮小する新たな基準図形」双方の点Cを一致させ、
A「最初の基準図形」の点Bと「縮小する新たな基準図形」の点Aが重なるように作図するので御座います。
  ↑
となります。究極の合理性で御座います。


縮小連鎖の論理(2)
作図法A-1up.jpg

一回の縮小連鎖作図完成後の主要交点の関係はこのようなことに↑成っております。同じプロセスをもう一度繰り返せば基準図形の三段階連鎖縮小が作図されます。


縮小連鎖の実際の作図方法(1)
作図法C-1.jpg

現実的にこれを人力で作図するには、赤とオレンジで強調表示した円と青で表示した点Cから伸ばした正五角形一辺の延長線の関係を用います。縮小する側の円周の中心が青線上に位置し、かつ円周が縮小前の基準図形の点Bを通るように作図します。この円の径から縮小側の他部分が作図可能となります。


縮小連鎖の実際の作図方法(2)
作図法C-2.jpg
  ↑
元の単位図形と縮小側の単位図形を分離して示すとこのようになります。


縮小連鎖三段階の仕組み
作図法B三重-2up.jpg
  ↑
同じ作図をもう一回繰り返して三段階連鎖縮小が完成します。

PCで作図する場合、縮小率は約57.15%ほどになります(実地計測による)。
PCでの作業はコピー縮小ドラッグ移動でいいわけですが、人力で作図するとなると、三段階連鎖縮小の状態を作図するだけで、かなりの根気と沈着冷静さが要されます。

参考
「花のかたち(1) 初期マトゥラー仏の構造」
「花のかたち(2) 仏塔と胎蔵」他、大乗仏教造形構造検証
http://jam.velvet.jp/mathura-buddha.html

(2010-07-12 補足加筆)
posted by コマプ墨田 at 01:45| 仏教関係調査